ファイザーとヴィアトリス、「サイバインコ®」および「リットフーロ®」の
日本におけるコ・プロモーション開始のお知らせ
ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)とヴィアトリス製薬株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ソナ・キム)は、ファイザー株式会社が製造販売する、アトピー性皮膚炎治療薬である経口JAK阻害剤「サイバインコ®錠50mg、同100mg、同200mg(一般名:アブロシチニブ)」および、円形脱毛症治療薬である経口JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害剤「リットフーロ®カプセル50mg(一般名:リトレシチニブトシル酸塩)」の日本におけるコ・プロモーションを、2024年7月1日から開始することをお知らせします。概要は以下の通りです。
・協業目的:サイバインコ®、リットフーロ®の適正使用情報を迅速かつ広範に提供する
(開発、製造、流通、販売業務等はこれまで同様、ファイザー株式会社が責任を負う)
両社は今回のコ・プロモーションを通じ、両剤の適正使用情報について迅速かつ幅広く提供を行い、アトピー性皮膚炎と円形脱毛症というQOLが著しく損なわれる疾患の治療に貢献してまいります。
<参考情報>
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、皮膚の炎症や、皮膚バリア機能が損なわれることを典型とする慢性皮膚疾患です1,2。紅斑(通常の皮膚より赤や紫を帯びた色になる)、丘疹、痒み、浸潤(じくじくする)、鱗屑(りんせつ:皮がむけてカサカサした状態)、痂疲(かひ:かさぶた)が主な症状です2,3。
幼少期から繰り返す慢性皮膚疾患が代表的なもので、世界で成人の10%程度、小児の20%程度が罹患しているとされています3,4。
サイバインコ®について
サイバインコは、選択的にJAK1を阻害する低分子化合物です。JAK1が阻害されることにより、病態生理学的にアトピー性皮膚炎に関与するとされるインターロイキン(IL)-4、IL-13、IL-31、IL-22、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP:thymic stromal lymphopoietin)を含む複数のサイトカイン・シグナルが抑制されると考えられています。
製品名 | サイバインコ®錠 50mg サイバインコ®錠 100mg サイバインコ®錠 200mg |
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一般名 | 日本名:アブロシチニブ 英名:Abrocitinib |
効能又は効果 | 既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎 |
用法及び用量 | 通常、成人及び12歳以上の小児には、アブロシチニブとして100 mgを1日1回経口投与する。 なお、患者の状態に応じて200 mgを1日1回投与することができる。 |
製造販売承認取得日 | 2021年9月27日 |
薬価基準収載日 | 2021年11月25日 |
発売年月日 | 2021年12月13日 |
製造販売元 | ファイザー株式会社 |
円形脱毛症について
円形脱毛症は斑状の脱毛を特徴とする自己免疫疾患で、免疫細胞が健康な毛包を攻撃することで脱毛症状が起こります。多くの場合、頭皮で脱毛しますが、時には顔(眉毛、まつ毛、ひげ)を含む頭部全体や全身に症状が出ることがあります。平均発症年齢は25~35歳ですが、子供から高齢者まで幅広い年齢層で、性別、人種を問わず発症します。円形脱毛症の治療法は限られており、発症後の管理が難しいことも知られています5, 6。これらのことから、多くの患者さんにおいて健康関連QOLが低下し7、うつ病や不安神経症などの深刻な心理的影響が生じる可能性があります。また、日本における近年の研究では、円形脱毛症がおよぼす疾病負荷は年間1,127億円と推計8されています。
リットフーロ®について
ATP(アデノシン三リン酸)結合部位の遮断により、ヤヌスキナーゼ(以下、JAK)3および5種類のTECファミリーキナーゼを不可逆的に阻害する共有結合形成型の経口投与可能な低分子製剤です。本剤はJAKファミリーキナーゼのうちJAK3に対する選択性が極めて高く、JAK1、JAK2、TYK(チロシンキナーゼ)2に対す阻害活性はほとんど示しません。円形脱毛症の病態に関与するIL-15、IL-21等の共通γ鎖受容体のシグナル伝達をJAK3阻害により強力に抑制し、CD8陽性T細胞およびNK細胞の細胞溶解能をTECファミリーキナーゼ阻害により抑制することで治療効果を発揮します。
リットフーロ®製品概要
製品名 | リットフーロ®カプセル 50mg |
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一般名 | 日本名:リトレシチニブトシル酸塩 英名:ritlecitinib tosylate |
効能又は効果 | 円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る) |
用法及び用量 | 通常、成人及び12歳以上の小児には、リトレシチニブとして50mgを1日1回経口投与する。 |
製造販売承認取得日 | 2023年6月26日 |
薬価基準収載日 | 2023年8月30日 |
発売年月日 | 2023年9月27日 |
製造販売元 | ファイザー株式会社 |
ファイザーについて:患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす
ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、人々が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療法をお届けしています。私たちは、革新的な医薬品やワクチンを含むヘルスケア製品の探索・開発・製造における品質・安全性・価値の基準を確立するよう努めています。ファイザーの社員は、生命や生活を脅かす疾患に対するより良い予防法や治療法を提供することで、日々、世界中の人々の健康に貢献しています。世界有数の革新的医薬品企業の責務として、信頼できる医療に誰もが容易にアクセスできるように、世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。人々の期待に応えるため、私たちは175年以上にわたり前進し続けてきました。詳細はホームページ、公式SNSをご覧ください。www.pfizer.com(米ファイザー本社)、www.pfizer.co.jp、Instagram、X(日本法人)
ヴィアトリスについて
ヴィアトリスは、ジェネリック医薬品と先発医薬品の間にある差異を埋める独自の位置を占めており、両者の長所を組み合わせることで、世界のヘルスケアニーズにより包括的に対応する世界規模で事業展開するヘルスケア企業です。当社は、「世界中の誰もが、人生のあらゆるステージで、より健康に生きられるよう貢献します」というミッションのもと、大規模な医薬品のアクセスを提供します。2022年には、世界中の約10億人の患者さんに高品質の医薬品をお届けしました。非常に広範かつ多様な医薬品ポートフォリオ、必要なときに必要な場所でより多くの人々に手を差し伸べることを可能にする比類のない世界規模のサプライチェーン、そして高度なサイエンスの専門知識により、私たちは世界で尽きることのないヘルスケアの課題に取り組んでいます。ヴィアトリスではアクセスは深い意味を持ちます。私たちは、生まれたときから人生を終えるときまで、急性症状から慢性疾患まで、人生のあらゆる瞬間に関わっています。ヴィアトリスは米国に本社を置き、ペンシルベニア州ピッツバーグ、中国上海、インドのハイデラバードにグローバルセンターを有しています。詳細については、viatris.comおよびinvestor.viatris.com、LinkedIn、Instagram、YouTube、X(旧:Twitter) をご覧ください。
<出典>
1. Hanifin JM, Reed ML. A population-based survey of eczema in the United States. Dermatitis. 2007;18(2):82-91.
2. Bieber T. Atopic dermatitis. Dermatology. 2012;1(3):203-217.
3. Oszukowska M, Michalak I, Gutfreund K, et al. Role of primary and secondary prevention in atopic dermatitis. Postep Derm Alergol. 2015:32(6):409-420.
4. Nutten S. Atopic dermatitis: global epidemiology and risk factors. Ann Nutr Metab. 2015;66(suppl 1):8-16.
5. Pratt CH, King LE Jr, Messenger AG et al. Nat Rev Dis Primers. 2017;3:17011.
6. Fukuyama M, Ito T and Ohyama M, J Dermatol 2022;49(1):19-36.
7. Ito T, Kamei K, Yuasa A et al. J Dermatol. 2022; 49(6):584-593.
8. Ohyama M, Kamei K, Yuasa A et al. J Dermatol. 2023; 50(10):1246-1254.